人との関係がうまくいっている時、心が安定していて、穏やかで、きっと幸せなんだと思うんです。
私たちの人生では、この人間関係がたま~に崩れることがあります。
そんなとき、心だけではなく、身体にも影響が出てきます。
胃が痛くなったり、胸が苦しくなったり、ごはんが食べられなくなったり、眠れなくなったり。
心と身体って、密接につながっているんですね。
生きていて、つらいと思うことっていっぱい起きますけれども、この、人との関係性がスムーズで信頼できるものであったとき、とっても楽ですね。
自分の軸が安定しますし、楽しいですし、気分もいいんです。
“心のものさし”が硬い。
でも、生きていますと、何かのきっかけがあって、その人間関係の軸がぶれてくることがあります。何かの行き違いでトラブルになったり、信頼関係が壊れたりすることって、結構あります。
この原因のひとつに、私たちの心の中にある、《心のものさし》が影響していることがよくあります。
《心のものさし》っていうのは、自分の中にある、(こうでなくてはいけない)という想いを指します。
私たちはこの世に来るとき、ある環境を選んで生まれてきます。
この環境のことを、《宿命》なんて言って、この人生で変えられないもののひとつとして挙げられます。
この生まれたときの環境で経験すること、小さい頃から周りにいる人の影響や出来事によって《心のものさし》がしっかりと出来上がってきます。
これを別の言葉で、“価値観”とも言うのですけれども、ある年齢までは、これがあったほうがいいようにも思うんです。自分のあるべき姿といいますか、こうありたいと思う姿が定まってきますので、必要なんだと思うんですね。
手離した方がいいんじゃないの?
ですが、ある程度の年齢から、“手放したほうがいいんじゃないの?”ランキングの一位になります。(笑)
大人になると、子どもの頃よりも人生の問題集が深くなってくるんです。
そのときにこの、《心のものさし》が邪魔になることがあるんですねぇ。
特に《許し(赦し)》を学ぶとき。
この《心のものさし》が硬ければ硬いほど、許せなくなります。
許せない状態って、苦しいんですよ…。
なんとかしたいのに許せない。
許すという問題集は、人生をかけても解けないこともある、大きなテーマです。
この硬い心のものさしが原因となって、問題集が解けないということがとても多くあります。
心のものさしは過去世の影響も受ける
この《心のものさし=価値観》は、どうかすると現世の経験だけでなく、過去世の記憶に関わる心の傷が原因で、ある一点がとても敏感になっているようなこともあります。
例えば、人前に出るのが苦手、とか、ですね。
これは一例ですが、過去世で、人前に出たときに何かとんでもない思いをさせられたとか、人前に出てはいけないという厳しい環境で育てられた、とかが原因となって、そもそも人前に出るのはよくないこと、という心のものさしがすでにあって、それが今世での不自由さになっている場合があります。
これを過去世のトラウマなんて、私は言っています。
今世で、ある人生の問題集を解くときについた心の傷で、その問題集はすでに解けている。そんなときにはこのトラウマは心のすすのようなものですので、取ってしまったほうがいいのですけれども、過去世で受けた心の傷は、これ自体が人生の問題集の“つづき”になっている場合があるのです。
トラウマって、現世だけではないんですねぇ。
過去世から来たこのトラウマは、チャレンジャーな自分の魂が果敢に(これを越えよう)って力強く思って持ってきた問題集だったりすることがあるということなんですね。
これは魂の“学び”になる場合があるんです。
ただし、足がすくんで一歩も動けない、なんてトラウマのときには、外してしまったほうがいいのですね。ここは判断が必要です。
頑固な価値観は、人間関係を不安定にする
話を“心のものさし”に戻しましょう。
“こうでなくてはいけない”という価値観は、これが硬いほど大人になって人間関係を不安定にする要因になります。
トラブルのもとになったり、人が離れてしまったりするきっかけになるのですね。
このものさしは、柔軟性があったほうがいいんです。
スポンジぐらい。(笑)
難しければ、プラスチックぐらいになっているといいかもしれません。
そのほうが人生の学びが深くなったり、人もまた自分を認めてくれるようになりますので、自分らしく生きられたりするんです。
許すということは、諦めるとか、投げやりになるとかではないんです。
相手の立場に立って物を考えるということを学ぶことができる、ということなんですね。
そうすると、その人や自分の今まで見えなかった部分が見えてきて、人生の景色まで変わって見えてくることがあるんです。
このとき、人は“気づき”ますね。
大人になったら、そこそこの価値観でいい。
私はそう思うんです。
なぜかというと、環境と経験からつくられた価値観は、例えば人のたった一言で変わってしまう、そんな危ういものだからなんです。
人の立場に立って考える、いろんな人の想いを知るって、自分の心がとっても深く、優しくなるんです。そして、そうすると、自分の想いに合った“良きこと”が自分に還ってくるんです。
ということで、今日はこのあたりで…。
今日も幸せです。
すべてに感謝します。
スピリチュアリティカウンセラー・癒しびと
林 真弓子